2024.10.03
年賀状の宛名や賀詞を筆ペンで書くコツとは?おすすめの筆ペンについても紹介
年賀状の文章
年賀状にはどんな筆ペンが良い?
筆ペンは大きく分けて3種類ある
筆ペンには大きく分けて3つあり、硬筆・軟筆・毛筆とあります。
【硬筆】
“硬筆”はプラスチックのような素材でできているもので、比較的細く固い素材でできている筆のことを指します。
筆ペンの両先端に2種類の筆がついているタイプの細いほうによく使われています。
サインペンのような書き味なので、筆に慣れていない人でも抵抗なく使えるのは硬筆です。
【軟筆】
次に“軟筆”は、硬筆よりも本物の筆に近い書き心地となります。
スポンジのような素材なので見た目は硬筆に近いような形ですが、太い線も書くことができ強弱をつけることが可能です。
しなやかな書き味が特徴です。
筆っぽい字体にはしたいけど書きやすさは譲れない、という方は軟筆が適しているでしょう。
【毛筆】
さらに筆らしさがあるのは“毛筆”です。
本物の筆とは違い、軟筆よりももっと味のある書き味が特徴的です。
筆独特のかすれ文字に魅力を感じる人は毛筆が適しているのではないでしょうか。
ただし、3本の中で一番難易度は高いので、初心者には不向きです。
書道経験者であれば上手に活用してみるのもおすすめです。
インクの種類
年賀状では、真っ黒なインクの筆ペンを使用するようにしましょう。
文具店売り場では、お通夜やお葬式の際に使用する薄墨タイプも販売しています。
こちらは年賀状に使うことができませんので、購入する前には必ずチェックしてくださいね。
中には薄墨と真っ黒な墨両方がついている筆ペンも販売されているので、購入しておくと今後も困ることがないのでおすすめです。
インクの種類も、2種類あるので気を付けてください。
【顔料インク】
速乾性が高く、滲みにくいのが特徴です。
ただし、顔料インクが使用されている筆ペンはあまり数が販売されていません。
【染料インク】
顔料インクの筆ペンに比べ、染料インクのほうが多数販売されており選択肢も多いため、筆の形などにこだわりたい人にはこちらがおすすめです。
顔料インクよりも滲みやすいとされていますが、墨汁のように伸びがよく発色は抜群です。
ハガキやのし袋に使用するだけであれば、特に支障なく使っていただけます。
筆の太さ
筆ペンには「細字」「中字」「太字」の3種類が存在します。
年賀状の宛名であれば、無難な中字あたりが少し太めにも細めにもかけるのでおすすめです。
年賀状のデザインとして筆で文字を書きたいのであれば、太字でかっこよく書いてもいいですね。
反対に、小さく一言書きたい時やメッセージをたくさん書きたい人には細字が適しているかと思います。
最近は太字と細字両方がついている筆ペンも多く販売されているので、そちらを活用するのがおすすめです。
筆ペンでうまく書けない原因は?
線が太くなってしまう
気が付いたら線が太くなってしまって宛名が真っ黒になってしまう場合は、筆が倒れている可能性があります。
筆の正しい持ち方は、人差し指と親指で筆ペンを挟み、中指はそっと添える程度の力加減です。
この時、きちんと筆が「まっすぐ立っている」ことを意識しましょう。
ボールペンとは違い、筆ペンは紙に乗せたときに筆が広がり太くなってしまう傾向があります。
まっすぐ立てることにより、強弱をつけやすく文字も美しく見えやすくなりますよ。
線がふるえてしまう
年賀状って「絶対に失敗できない!」と緊張してしまうあまりに、手が震えてしまうことがありますよね。
ボールペンよりも、自信のなさや緊張がわかりやすく文字に表れてしまうのが筆ペンです。
力が入りすぎてしまっていても震えてしまうので、ひと呼吸おいてリラックスした状態で書くとふるえにくいですよ。
また、事前に不要紙などの上で試し書きしてから書くのもおすすめです。
一度気楽に書いてしまえば、いきなり清書するよりも緊張せずに書けますよね。
筆ペンでバランスよく年賀状の宛名を書くには
慣れない筆ペンで宛名を書くと、どうしてもバランスが崩れてしまいがちです。
バランスよく書けない理由として、「どこにどんな文字が収まれば綺麗か」についての知識がないことがあげられます。
はがきにはバランスをとる目印があるので、そこに注意して文字を書くことできれいな文字を書くことができますよ。
相手の住所と名前は郵便番号に注目
相手の氏名は“郵便番号の枠”の1マス目~2マス目の間を中心にして書きます。
そして相手の住所は、“郵便番号の枠”の6マス目~7マス目の間を中心にすればバランスよく収まります。
差出人の住所と名前は切手に注目
差出人(自分)の住所・名前を書く際、縦はハガキの中間からスタートすると綺麗です。
また、横幅も大きすぎたり寄ってしまったりすると不格好となるので、差出人の住所・名前は切手の幅くらいに収まるように気を付けましょう。
目印があると、「気が付いたら斜めになっていた…。」「偏っていた…。」なんてミスも防ぐことができます。
もちろん文字が綺麗だと上手に見えますが、実はバランスも重要なんです。
「字が上手くないから」と諦めず、バランスを整えるだけできれいな字になりますよ。
年賀状におすすめの筆ペン
毛筆タイプ
【ぺんてる ぺんてる筆】
昔からよく見る筆ペンといえばこちらではないでしょうか?1976年に発売して以来ロングセラーとなっています。
ナイロン毛でできており、いかにも筆という感じがします。
弾力があり、コシのある書き心地が人気の商品です。
本体をぎゅっと握るとインクが補てんされる形で、カートリッジ式となっています。
【くれ竹 美文字 完美王】
インクが自動的に補てんされるのが特徴的で、すらすらと書き続けることができます。
サインペンのような書き心地で、初心者でも書きやすいため大変愛されています。
なめらかに書くことができ、強弱もしっかり付けられますよ。
【パイロット 新毛筆】
中字や細字タイプに分かれて販売されており、カートリッジ式の筆ペンです。
耐久性のある穂先で、軟筆寄りの毛筆といったところでしょうか。
固めなので、毛筆の中ではもっとも初心者寄りの印象です。
硬筆タイプ
【パイロット 筆まかせ】
見た目はボールペンに近く、初心者でも抵抗なく書きやすい筆ペンとなっています。
硬筆タイプの極細ですが、強弱はしっかりとつきます。
年賀状だけではなく、普段使いする人にもおすすめです。
【ぺんてる 慶弔サインペン】
冒頭でもご紹介した、濃墨とうす墨両方がついているタイプの筆ペンです。
これさえあれば、冠婚葬祭まですべて1本で使いまわすことが可能です。
多様なシーンに使いたい人にはこちらがおすすめです。
【ゼブラ 筆サイン】
カーボンインクなので色褪せもしにくく、インクジェット紙にも書くことが可能です。
自作で印刷した年賀状(カーボン紙使用)に一言文字を書き添えたい場合は、こちらのペンだと紙との相性も良く書きやすいです。
サインペンのような見た目なので、こちらも普段使いしやすいペンとなっています。
軟筆
【プラチナ万年筆 筆ぺん 双筆 跳ね小筆】
初心者が筆ペンをうまく使いこなせない理由として多いのが、強弱が付きすぎてしまうためバランスよく書けないということがあります。
しかしこちらの筆ペンは、しっかりとした弾力があるのが特徴で、必要以上に強弱が付きすぎません。
比較的初心者でもコントロールしやすいため、失敗が少なくなるメリットがあります。
また、インクジェット紙でも問題なく書けます。
【ぺんてる 筆文字ペン ツイン】
硬筆と軟筆がセットになっているタイプで、書く箇所によって太さを使い分けたい人におすすめのタイプです。
「硬筆は自分の住所や名前」「軟筆は宛名」と使い分けるにはぴったりですよ。
ナイロン製の筆先なので、弾力があってこちらも初心者に書きやすい筆ペンとなっています。
カラー
【くれ竹筆 金色/銀色/朱色】
実は筆ペンにもカラーがあるんです。
基本は濃墨・うす墨ですが、金や銀、朱色の筆ペンも販売されています。
用途としては、縁起がいい色なので年賀状に使用されることが多いようです。
しかし、宛名書きでは黒を使用するのがマナーなので、カラーはNG。
表に賀詞などを書く際にはめでたい感じがでてピッタリの筆ペンとなっています。
年賀状はボールペンで書いちゃダメ?
年賀状を書く際、一般的にはボールペンを使用すべきではないとされています。
その理由として、線の細いボールペンの文字よりも、毛筆で書いた太く力強い字のほうが、新年などのお祝い事にはふさわしいとされているためです。
元はといえば、ボールペンの用途は事務的な場面での筆記用具であり、手紙などで使用することはマナー違反であるとされています。
とはいえ、年賀状にボールペンで書くのが絶対に避けるべきである、とされているわけではありません。
大切なことは、相手に対する気持ちや思いが文面から読み手に伝わるかどうか、という点です。
そのため、字が上手かどうかは関係なく、一字ごとに気持ちをこめて丁寧に書くことが大切です。
もちろん、毛筆や筆ペンを使用したほうが、ボールペンで書かれた文字に比べ好まれやすいことには変わりありません。
しかし、使い慣れない毛筆などを使用して無理に書くよりも、使い慣れたボールペンで書く方が相手への気持ちが書きやすいのであれば、それでも問題はないでしょう。