年賀状の勘定科目の仕訳には、大きくわけて3つのパターンがあり、それぞれで仕訳の内容が変わります。

また、年賀状は、領収書上では消費税は非課税の扱いになっています。しかし、郵便物として扱われて郵送された場合に課税される、という仕組みになっています。

今回は、年賀状の勘定科目の仕訳や消費税について解説します。

年賀状の勘定科目の仕訳について

年賀状の勘定科目は、大きくわけて3つのパターンに分けられます。

仕訳が発生するパターン仕訳の種類

年賀はがきを購入した場合の仕訳
「通信費」
「広告宣伝費」
「交際費」
余ってしまった年賀はがきの仕訳「貯蔵品」
業者に印刷を依頼した場合の仕訳
「支払手数料」「業務委託費」
「通信費」

次の項から、年賀状の勘定科目について詳しく見ていきましょう。

勘定科目とは

勘定科目とは、経理計算や税計算においての、事業で発生した取引を示す項目です。

例えば、売り上げ収入であれば「収益」、雑費や経費などは「費用」、借金などの借り入れがあった場合は「負債」といったように、それぞれどのような項目であるか分かりやすく分けます。

勘定科目には「仮払消費税」という特別な種類があり、企業などで経理業務の計算の際に用いられています。

2024年現在、消費税率は10%ですので、年賀はがきや年賀切手の購入代金の全体のうちの10%の消費税分に当たる金額を「仮払消費税」として計上します。

年賀状の勘定科目

年賀はがきを購入した場合の仕訳を行う際に、一般的によく使用される勘定科目は

  •  通信費
  • 広告宣伝費
  • 交際費

 

のいずれかです。最も使われている勘定科目は「通信費」です。

なぜ年賀はがきの勘定科目が企業によって異なるものなのかというと、そもそも勘定科目は法律で正確に決められているわけではないためです。

年賀状の勘定科目を決める場合には、1つの会社内で仕訳する場合は、年賀状はどの勘定科目で管理するかについてのルールを統一する必要があります。

年賀状の仕訳に「通信費」や「広告宣伝費」など複数の勘定科目が存在してしまうと、後から管理して集計する場合に業務が複雑化してしまいます。

また、決算の際の棚卸しの仕訳をした際に、余ってしまった年賀状の勘定科目は一般的に「貯蔵品」として計上します。

また、余ってしまった年賀状を貯蔵品とするのではなく、郵便局の窓口で切手や通常はがきに交換した場合もあるかと思います。

その場合の勘定科目は、交換する際に発生した交換手数料の費用を「支払手数料」として計上する必要があります。

印刷費の勘定科目

年賀状の印刷を外部の印刷サービス業者に依頼する場合には、印刷料金のみを支払う場合と、印刷料金と年賀はがき代の両方を支払うパターンがあります。
印刷料金のみを支払う場合の勘定科目は

  • 支払手数料
  • 業務委託費

 

のどちらかにするのが一般的です。

印刷料金と年賀はがき代の両方を支払う場合は、一括して「通信費」とします。

年賀状ソフト購入費の勘定科目

年賀状作成ソフトの勘定科目は、ダウンロード版を購入した場合でもパッケージ版を購入した場合でも変わりません。

年賀状ソフトを購入した場合の勘定科目の仕訳を行う際に、一般的によく使用されるのは

  • 消耗品費
  • 事務用品費

 

です。特に多く使われているのは「消耗品費」です。

年賀状作成ソフトの勘定科目は、年賀はがき代や印刷料金とは同じ勘定科目として合算計上することはできないので、注意しましょう。

注意点

年賀状の勘定科目についての注意点は、一度勘定科目を決めたあとは極力改変を加えないという点です。

特に、月単位や1年程度の比較的短い期間内で勘定科目を変えてしまうと、決算時に財務や税金の計算をしようとしても、なかなか整理できなくなってしまう可能性があります。

年賀状の消費税について

領収書上では非課税

年賀はがきや年賀切手の購入には、消費税は課税されません。

というのも年賀状の消費税は購入時には発生せず、実際に購入した年賀状を郵便物として送った場合に、使用時の課税仕入れの扱いになるからです。

また、年賀状を転売せずに、自ら使用する分については継続適用を条件とすることで、購入時の課税仕入れとして処理することが認められています。

そのため、実際の経理業務においては、購入時の課税仕入れとして一般的に処理されています。

郵便局やコンビニなどで年賀状を購入した場合、レシート上では消費税は0円と記載され、非課税の扱いになっています。

しかし、実際には消費税込みの内税金額として処理されています。

というのも、消費税法第6条にて

  • 「国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第1に掲げるものには、消費税を課さない」

 

と記載されているため、年賀状を含む郵便切手類はこの条件に該当します。

金券ショップや代理店から仕入れた場合

金券ショップや代理店から年賀はがきを購入した場合は、使用時の課税仕入れではなく購入時の課税仕入れの扱いになりますので注意しましょう。

売上計上時の注意点

印刷サービスのように、郵便局から年賀はがきを仕入れて、印刷料金などを上乗せして販売する場合は、売り上げの全体が課税売上の扱いになります。

ここまでが年賀状の消費税についての説明です。

まとめ

年賀状の消費税は領収書上では非課税ですが、郵便物の取り扱いとなった際に課税される仕組みです。

郵便局以外での代理店などで仕入れた場合は購入時の課税扱いになるので注意しましょう。

勘定科目についても、どのような形で年賀状を印刷して送ったかによって変わってきますので、よく確認しましょう。