「寒中見舞いのはがきを12月に出すことはできるの?」「寒中見舞いを喪中はがきの代わりとして出してもよいの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、寒中見舞いを出すタイミングや書き方のルール、喪中に関係する場合のポイントについて文例を交えて解説するので、ぜひ参考にしてください。

寒中見舞いを12月に出すのはマナー違反!

寒中見舞い椿と雪

寒中見舞いは寒い時期に相手を気遣うために出す季節の挨拶状ですが、12月に出すのはマナー違反になるので気を付けましょう。

寒中見舞いは、松の内が明ける1月の初めから2月4日の立春までに出すのがマナーで、投函は1月末までを目安に覚えておくと安心です。

また、立春を過ぎてから季節の挨拶状を出す場合は、「寒中見舞い」ではなく「余寒見舞い」として出します。

余寒見舞いは、2月中を目安に出し終えるようにしましょう。

寒中見舞いの基本的なルール

立派な門松

先ほど申し上げたように、寒中見舞いは松の内が明ける1月の初めから2月4日の立春までに出すのがルールです。

松の内とは、お正月に門松を飾る時期のことであり、松の内の期間は、関東地方では1月1日~1月7日まで、その他の地域では1月1日~1月15日までというのが一般的です。

寒中見舞いには、他にもいくつかルールがあるので確認しておきましょう。

頭語・結語は不要

寒中見舞いは、相手の健康や近況を気遣う素直な気もちを伝えるとともに、自分の簡単な近況をお知らせする挨拶状であり、「拝啓」などの頭語や「敬具」などの結語は必要ありません。

書き方に決まりはなく挨拶状であることも踏まえて、固くなりすぎない文章を送りましょう。

賀詞は使用しない

賀詞とは、年賀状に限らず使われるお祝いの気持ちを表す言葉で、寒中見舞いには使用しません。

そのため、以下のようなおめでたい言葉は使わないように注意しましょう。

  • 寿
  • 賀正
  • 賀春
  • 迎春
  • 初春
  • 謹賀新年
  • 謹賀新春
  • 恭賀新年
  • あけましておめでとうございます
  • 新年おめでとうございます
  • 謹んで新春のお慶びを申し上げます

 

切手は胡蝶蘭が無難

寒中見舞いに切手のルールはありませんが、胡蝶蘭の絵柄の普通切手を選ぶのが無難です。

普通切手には胡蝶蘭のほか、山桜やヤマユリ、タンチョウがあります。

どの絵柄を選んでも相手に失礼な印象を与えることはないため、年賀状が遅れた場合に出す、喪中の際に出すなど挨拶の目的に合わせて選ぶとよいでしょう。

迷ったときは、弔事にも使える胡蝶蘭の切手が無難です。

郵便はがきか私製はがきを使用する

寒中見舞いに使うはがきは、「郵便はがき」もしくは「私製はがき」であり、年賀状が余っていたとしても使用しません。

また、干支や縁起物など、きらびやかでめでたい柄のはがきも避けるようにしましょう。

喪中の方にも送ることが可能

寒中見舞いは、季節の挨拶状として出すものであり、喪中はがきをいただいた場合に送っても問題ありません。

喪中の方に送るほか、年賀状を松の内の期間に出しそびれたときや、喪中と知らずに年賀状を出してしまったときのお詫びとして送ることもあります。

寒中見舞いの文例

椿に積もる雪

寒中見舞い

【文例】
寒中お見舞い申し上げます

暖冬とはいえ さすがに冷え込む今日この頃 皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか

おかげさまで私どもは皆無事に過ごしておりますので ご安心ください

もうすぐ春の足音も聞こえてきましょう

どうぞお風邪など召しませぬよう くれぐれもご自愛ください

年賀状の返礼が遅れた場合

【文例】
寒中お見舞い申し上げます

丁寧なお年賀状をいただきながら ご挨拶が遅れまして大変失礼いたしました

皆様におかれましてはよいお年を迎えられましたご様子 心からお喜び申し上げます

おかげさまで私どもも無事越年いたしました

今年も変わらぬお付き合いのほど どうぞよろしくお願い申し上げます

喪中としての寒中見舞いの出し方

喪中の寒中見舞い

喪中はがきの返事として使用する

喪中はがきをいただいた方には、年始の挨拶がわりとして寒中見舞いを送ると丁寧です。

ただし、喪中の方に出す場合は、「年賀」「お喜び」「おめでとう」などのおめでたいとされる言葉や「別れる」「忙しい」「くれぐれも」などの忌み言葉は使いません。

故人を偲ぶ言葉や相手を気遣う言葉を添えて出しましょう。

喪中であることを知らずに年賀状を送ってしまったことへのお詫び

喪中であることを知らずに年賀状を出しても失礼にはなりませんが、あらためて寒中見舞いを送り、年賀状を送ったことに対するお詫びと哀悼の意を伝えると印象がよいでしょう。

喪中であると知っていながらうっかり年賀状を送ってしまった場合は、失礼をお詫びする言葉を含めた寒中見舞いを送ります。

年末に不幸があり喪中はがきが間に合わなかった場合

年末に不幸があった場合は、慌てて喪中はがきを用意することはせず、寒中見舞いで喪中であることを伝えます。

このケースでは松の内が明けてから、仏教では四十九日法要後、神道では50日祭後の忌が明けてから出すようにしましょう。

また、年賀状をすでに用意していた場合は、投函前であれば12月28日までに郵便局に伝えることで一般はがきなどに交換できます。

投函後の場合は早急に郵便局に行き、配達を停止してください。

集配局から移動している場合は手数料が必要になるほか、また配達後の取り戻しはできなくなるため、注意しましょう。

喪中期間に年賀状が届いた際の返事

喪中はがきを出していない相手から年賀状が届いた場合は、年賀状をいただいたお礼と喪中はがきを出していないお詫びの言葉を含めた寒中見舞いを送りましょう。

こちらが喪中であることを知らない人には、きちんと返信をして近況を伝えるのがマナーです。

寒中見舞いは、松の内が明けるまで出せないため、返事が遅くなったお詫びの言葉も添えるとよいでしょう。

喪中の際の寒中見舞いの文例

葉に積もる雪

厳密な決まりはありませんが、寒中見舞いなどの挨拶状では縁起が悪いとされているため、「終わり」や「区切り」を意味する句読点は使いません。

特に喪中に関係する寒中見舞いの場合には、喪中はがきのマナーと同じように、以下のルールに沿うのが無難です。

  • 句読点は入れない
  • 行頭の一字下げはしない
  • 数字は漢数字で表記する


ここでは、喪中にかかわる寒中見舞いの文例を見ていきましょう。

喪中はがきの返事として使用した場合の文例

【文例】
寒中お見舞い申し上げます

ご服喪中と存じ 年始のご挨拶は遠慮させていただきましたが 寒冷の候 皆様いかがお過ごしでしょうか

私どもは元気に過ごしておりますので ご安心ください

◯◯様がご逝去されてから ご家族の皆様にはお寂しい毎日をお過ごしのこととお察しいたします

遅ればせながら 謹んでご冥福をお祈りいたします

厳寒の折から 皆様どうか御身大切にお過ごしください

喪中であることを知らずに年賀状を送ってしまったことへのお詫びの文例

【文例】
寒中お見舞い申し上げます

先日はご服喪中とは存じ上げず 年賀状を差し上げまして誠に失礼いたしました

◯◯様の逝去を心よりお悔やみ申し上げます

厳寒の折から 皆様どうか御身大切にお過ごしください

年末に不幸があり喪中はがきが間に合わなかった場合の文例

【文例】
寒中お見舞い申し上げます 年頭のご挨拶を頂きありがとうございました

〇〇は昨年〇月に他界いたしました

旧年中にお知らせ申し上げるべきものを 年を越してしまいましたご無礼の段 どうかお許しください

故人が生前に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます

厳寒の折柄 皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます

【文例】
寒中お見舞い申し上げます

ご丁寧なお年賀状をいただきありがとうございました

昨年〇月に〇が永眠し 年頭のご挨拶を控えさせていただきました

ご連絡が行き届かず 誠に失礼いたしました

本年も変わらぬお付きあいのほど どうぞよろしくお願い申し上げます

12月の不幸により寒中見舞いで喪中を伝えるならフタバ

喪中やその他の理由があり、年賀状以外の方法で挨拶したいのであれば寒中見舞いがおすすめですが、12月に寒中見舞いを出すのはマナー違反です。

また、寒中見舞いの時期は松の内が明ける1月の初めから2月4日の立春までと決まっているため、年末までには準備しておくほうがよいでしょう。

寒中見舞いは年賀状とはまた違ったルールがあるので、作成に手間と時間がかかる場合もあります。

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