2024.08.22
死亡通知状にはどんなマナーがある?喪中はがきとの違いは?出すタイミングや書き方、文例などについて紹介
喪中はがき
喪中はがきとよく似たものに、死亡通知状というものがあります。
どちらも故人が亡くなったことを知らせるものですが、どのような違いがあるのでしょうか。
今回は、死亡通知状について喪中はがきとの違いや書き方などを紹介します。
死亡通知状とは?
死亡通知状とは、主に家族や親族が亡くなった際に生前お世話になっていた方たちに対して、お知らせとお礼を伝えるための手紙のことです。
葬儀の行われる日時や場所を伝える目的も兼ねますが、一般葬や家族葬などの告知は基本的に電話で行われます。
そのため、葬儀前に送られる死亡通知状は、葬儀の実施までに時間がある社葬などに関して、取引先などに詳細を知らせるケースで使用されることがほとんどです。
対して、葬儀後に送る死亡通知状は、故人の友人や知人に、故人の訃報と滞りなく葬儀を済ませたことを伝える挨拶状です。
葬儀後に死亡通知状を送る場合は、忌明けを目安に送りましょう。
喪中はがきで故人の訃報を伝えてもよい?
故人が10月から年末の間に亡くなった場合は、故人と年賀状のやり取りがあった方に対して、喪中はがきで訃報を知らせても差し支えありません。
それ以外の場合は、できるだけ死亡通知状を送って知らせましょう。
喪中はがきと死亡通知状の違いとは
死亡通知状と聞くと、喪中はがきと混同してしまう方もいらっしゃるかもしれません。
喪中はがきとは、遺族が喪中につき「年賀状を差し控える旨を伝えるため」の挨拶状を指します。
一方、死亡通知状は遺族が故人と関わりのあった人に対して「故人の死を知らせるため」の挨拶状です。
似ているようで全く用途が別のものであるため、注意しましょう。
死亡通知状に書く内容
死亡通知状に書く内容は、以下の5点です。
- 喪主との間柄と故人の氏名
- 死亡日と年齢
- 葬儀に関する情報
- お詫びやお礼
- 喪主の氏名と住所
喪主との間柄と故人の氏名
喪主からみた故人との間柄(続柄)を記載し、続いて故人の氏名を書きます。
一般的に社葬の場合や差出人と故人の姓が違う場合は、故人の氏名が必要です。
しかし、家族が喪主となる場合は下の名前のみでも差し支えありません
氏名のすぐ後ろには「~について」や「~にかかわる」という意味の「儀」をつけ忘れないようにしましょう。
例:母〇〇儀
死亡日と年齢
故人の亡くなった日付と年齢を書きます。
このとき、数字はすべて漢数字を使うのがポイントです。
死亡日は正確な時間まで書く必要はなく、月日のみでも問題はありません。
時間帯を記載する場合は、「未明」や「〇~〇時」と記すこともできます。
また、死亡理由を記述するかどうかは必須ではないため、記載は自由です。
例:〇年〇月〇日 未明
葬儀に関する情報
葬儀に関する情報として、主にお通夜と告別式の日時と会場を明記します。
時間は「午前(もしくは午後)〇~〇時」のように、12時間表記することがほとんどです。
会場の場所を記入する際は、施設名だけではなく最寄りとなる駅からの距離などもつけておくと、参列者がたどり着きやすくなります。
また、香典や供物を辞退する場合は、その旨も忘れずに記載しておきましょう。
葬儀後に死亡通知状を送る場合は、葬儀を行なった日付のみで構いません。
お詫びやお礼
葬儀後に死亡通知状を送る場合は、訃報の連絡が遅くなったことへのお詫びを記載しましょう。
また、生前に賜ったご厚誼(こうぎ)に対するお礼も記述するのが一般的です。
仮に家族葬で葬儀を済ませた場合や葬儀参列の案内を事前に送らなかった場合、必ず理由を加えておくようにしましょう。
喪主の氏名と住所
喪主の氏名と住所や連絡先も記載します。
特に葬儀の日時を載せる場合は、葬儀や故人についての問い合わせなどが受けられるよう、連絡先は忘れず記載しておきましょう。
死亡通知状を送るタイミング
死亡通知状を送るタイミングは大きく分けて3パターンあります。
- 葬儀に参加してもらいたい場合
- 身内のみで葬儀を行う場合
- 年末に葬儀があった場合
それぞれについて、ベストなタイミングをご紹介します。
葬儀に参加してもらいたい方に送る場合
葬儀に参加してもらいたい方に死亡通知状を送る場合は、故人が亡くなった後すぐに送付しましょう。
ただし、身内や親しい友人には電話などで連絡する場合も少なくありません。
どの立場の方に知らせるかによって、知らせる手段はさまざまです。
身内のみで葬儀をする場合
故人の遺言で家族葬など身内のみで葬儀をする場合は、葬儀後に死亡通知状を送付します。
特に葬儀から何日以内という決まりはありませんが、年末に亡くなった場合以外は年をまたぐなど、あまり期間を空けすぎないほうがよいでしょう。
近年では家族葬が増えている傾向にあり、死亡通知状を葬儀後に送付するケースも増えています。
身内のみの葬儀であれば、心身ともに落ち着いたタイミングで送付するとよいでしょう。
納骨後や四十九日後などの区切りを目安にするのも一つです。
年末に葬儀があった場合
年末が近い時期の葬儀かつ家族葬だった場合は、喪中はがきと死亡通知状を兼ねて送付することもあります。
喪中はがきだけで済ませることも可能ではありますが、その場合はお世話になった方に対しては死亡通知状の内容も踏まえて、少し加筆するのがおすすめです。
死亡通知状の文例
ここからは死亡通知状の文例を、葬儀前に送る場合と葬儀後に送る場合の2パターンご紹介していきましょう。
いずれにしても、句読点はつけず行頭を揃えて書きます。
葬儀前に送る場合
母 〇〇儀 病気療養中でございましたが
去る〇月〇日 〇〇歳にて永眠いたしました
ここに生前のご厚誼に感謝し ご通知申し上げます
なお葬儀告別式は仏式において 下記の通り執り行います
故 〇〇 儀 通夜・葬儀告別式
通夜式 令和〇年〇月〇日 〇時から
葬儀告別式 令和〇年〇月〇日 〇時から
場所 〇〇斎場
住所 〇〇県〇〇市〇〇区〇〇
電話番号 〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇
喪主 〇〇〇〇
住所 〇〇県〇〇市〇〇区〇〇
電話番号 〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇
葬儀後に送る場合
謹啓 夫 〇〇 儀
かねてより入院加療中でありましたところ
去る令和〇年〇月〇日 〇〇歳にて永眠いたしました
葬儀は故人の遺志により近親者のみが集い家族葬にて相済ませました
なお 誠に勝手ではございますが 弔問・香典・供物・弔電のご厚志につきましては固くご辞退申し上げます
故人が生前賜りましたご厚誼につきまして深謝申し上げます
本来ならば直接ご挨拶申し上げるべきところ 恐縮ではございますが略儀ながら書中をもってお知らせいたします
謹白
令和〇年〇月〇日
住所 〇〇県〇〇市〇〇区〇〇
喪主 〇〇〇〇
死亡通知状を書く際のマナー
以下では、死亡通知状を書く際のマナーについて説明します。
受け取る方に対して失礼にならないよう、しっかり押さえておきましょう。
葬儀の前に送る場合は早めに出す
葬儀に参列していただきたい場合は、式の日程などが整い次第、可能な限り早急に発送しましょう。
葬儀への参加を希望する方が足を運びやすいよう、葬儀の3日前には届くように手配するのが望ましいです。
しかし、葬儀までに時間の猶予がない場合は、電話連絡でも問題ありません。
宗派についてきちんと記載する
死亡通知状を作成するにあたって、忘れずに記載したいのが宗派についてです。
宗派によって葬儀の進め方やマナーは異なります。
参列する方が事前に調べて所持品や装いを決めやすいよう、宗派について必ず記載しておきましょう。
【注意】「逝去」は使えない
よく目にする「逝去」ですが、「死」の尊敬語に該当します。
そのため、「逝去」は他人がなくなった際に使用する言葉であり、身内が亡くなった際に相応しい言葉ではありません
故人の死亡を連絡する際、間違えて使用することがないように注意しましょう。
身内がなくなった場合は、「永眠いたしました」や「死去しました」、「生涯を閉じました」などがよく使われます。
死亡通知状を書くときは、参考にしてみてください。
まとめ
死亡通知状とは、故人の死を関係者に伝えるための挨拶状です。
また、生前故人がお世話になった方々にお礼などを伝える大切なお手紙でもあります。
葬儀前に出す場合は、マナーを守ってなるべく早く送付するように心がけましょう。
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