年始状は被災地の方への新年の挨拶や、喪中の方への新年の挨拶として使うことができます。

年始状を出す際にはいくつか注意点があるので気を付けるようにしましょう。

今回は年始状についてご紹介させていただきます。

年始状はいつから始まった?

年始状というものが一般的になったのは、東日本大震災が発生した2011年以降のことです。

新年を祝うような状況ではない相手に「おめでとう」などのお祝いの言葉は使いたくない…でも年始のあいさつや応援をしている気持ちを伝えたい。

そんな時に送るあいさつ状として年始状を送る方が増えています。

年始状はどんな時に出せばいい?

被災地の方への新年のあいさつに

地震に限らず、大雨や大雪、台風など、自然災害に見舞われた被災地にお住まいの方への年始のあいさつをする際に年始状は役立ちます。

相手を思いやる気持ちを伝えるだけでなく、こちらの近況を伝えることで人と人との繋がりを感じてもらえるでしょう。

喪中の方への新年のあいさつに

喪中はがきが届いたらその方への年賀状を送ってはいけないと考えるのが一般的です。

でも実は、、喪中はがきは「年始のごあいさつは控えます」というお知らせなので、喪中の人が年賀状を受け取ることはダブーではありません。

新年に届く年賀状を楽しみにしている人の中には、こちらからは出せないけれど送ってもらえる分には問題がないという人もいらっしゃいます。

とはいえ普通の年賀状を送る訳にはいかないですよね。

そこで活躍するのが、お祝いの言葉を使わずにごあいさつをする年始状なのです。

喪中はがきの代わりに

身内に不幸があった時には事前に喪中はがきを送るのが一般的です。

喪中はがきを送る範囲は0〜2親等と言われます。

・0親等(配偶者)

・1親等(子、親、義親、子の配偶者)

・2親等(祖父母、配偶者の祖父母、兄弟姉妹、配偶者の兄弟姉妹、孫、孫の配偶者)

 

また2親等よりも遠い親戚でも、同居している親族であれば喪中はがきを送ることになります。

喪中はがきの代わりに年始状を出すことはできます。

でも実際には、年末に不幸があった時に喪中はがきの代わりに送ったり、普段付き合いはあまりない遠い親戚に不幸があった場合に、年賀状の代わりに年始状を送るという人が多いです。

寒中見舞いの代わりに

喪中はがきを出していない方から年賀状が届いた時にお返事として送るのが寒中見舞いです。

寒中見舞いを送る時期は松の内が開けてからで、立春までに出すのが一般的です。

関東地方関西地方
1月8日から2月4日ごろ1月16日から2月4日ごろ

(※地域によって時期が異なる場合もあります。)

この寒中見舞いの代わりに年始状を送ることができます。

寒中見舞いと違って、年賀状をいただいてすぐにお返事ができるのがメリットと言えます。

年始状を送る際の注意点

元旦から松の内までに送る

年始状は年賀状と同じく、元旦から門松を飾る機関である松の内までに送るのがマナーです。

松の内の期間は江戸時代の初めまでは全国どこも1月15日まででしたが、、現在は7日と15日の2種類に分かれています。

関東地方関西地方
7日まで15日まで

基本的に年賀はがきは使わない

新年を祝う「年賀」という言葉が入っている年賀はがきは、基本的には年始状には使いません。

そのため年始状は普通の郵便はがきを使うのですが、注意すべきなのは投函のタイミングです。

年賀はがきの場合は12月に投函すると1月になるまで配達されることはありませんが、年始状は早くに投函するとそのまま年内に届いてしまいます。

年始に届くようにするためには、大晦日や年明けすぐなどに投函するのがベストです。

華美なデザインは避ける

年賀状とは違って年始状には新年を祝うような言葉を使わないので、おめでたい雰囲気や華やかな印象にならないデザインがふさわしいと言えます。

とはいえ、喪中はがきや寒中見舞いのような落ち着いたものでなければならないわけでもなく、、家族の写真が入っていたり優しく明るい色調のデザインでも大丈夫です。

年始状の文例

賀詞は使わない

年賀状やそのほかお祝いの席で使われる言葉である「賀詞」は年始状には書かないのがマナーです。

・賀正・迎春

・初春

・謹賀新年

・恭賀新年

・あけましておめでとうございます

・初春のお慶びを申し上げます

・Happy New Year

など

 

年始状では、お祝いではなくあいさつの言葉を使うのが最適。

・謹んで年頭のご挨拶を申し上げます

・新年のご挨拶を申し上げます

・いかがお過ごしですか

など

 

また、お祝いの意味を持つ「慶・祝・賀・寿」といった漢字も使わないようにしましょう。

添え書きには相手を気遣う言葉を

添え書きの内容は年賀状と大きくは変わりません。

・お世話になっているお礼

・新しい年のお付き合いをお願いする言葉

・近況

 

加えて年始状には、相手のことを思いやる気持ちや気遣いが伝わる言葉を添えます。

人との繋がりを感じることができるあいさつ状として、年始状を送りましょう。

書式の注意点

年賀状や賞状、招待状、法要の案内など、、慶事や弔事の文章には句読点を付けないのがマナーです。

そのため年始状の文章に「、」「。」の句読点は入れません。

また喪中はがきやお香典では薄墨を使いますが、年始状では通常の濃墨や黒文字を使用します。

文例

新年のあいさつにふさわしい、年始状の文例をご紹介させていただきます。

「新年のご挨拶を申し上げます

昨年はお世話になり誠にありがとうございました

新しい年が皆様にとって明るく幸せな一年となりますように
心からお祈りいたします」

 

「謹んで年頭のご挨拶を申し上げますお静かに新年をお迎えのことと存じます

故人のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに
皆様にとって穏やかな一年となりますことをお祈りいたします

本年もどうぞよろしくお願いいたします」

 

「いかがお過ごしですか

昨年は大変お世話になりありがとうございました

こちらは日々つつがなく過ごしております
新しい年が皆様にとって明るい一年となりますことをお祈りいたします

本年もどうぞよろしくお願いいたします」

 

 

まとめ

喪中はがきの代わりや被災地にお住まいの方への新年のごあいさつに送る年始状。

お祝いの言葉を送ることを控えたい時でも、年始の便りがないのは寂しいものです。

相手の気持ちに寄り添った気遣いの心をはがきに込めて、年始状を送りましょう。

 

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